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インドネシアの建設基本情報

インドネシアの建設基本情報

インドネシアの人口、経済規模などの基礎情報、建設単価や建設市況などの建設情報をまとめました。

1. 基礎データ (世銀データベース)

1.1. 国土: 1,913,600 sq km (日本の5倍)
1.2. 人口: 2億7352万人(2020年、日本の217%)
1.3. 経済規模 GDP: 1.058 Billion USD (日本の20.93%)
1.4. 経済規模 GDP一人当り: 3,869 USD (日本の9.63%)

1.5. 気候風土
・インドネシアは赤道沿いにあり、その気候は年間を通じて比較的均一である。
・インドネシアには2つの季節があり、雨季(11月から4月の間)と乾季(5月から10月の間)である。
・平均気温は28℃(山岳地帯は23℃)で、湿度は70-90%である。

1.6. その他
・インドネシアは1万3千以上の島からなる世界で最も多くの島を有する島国である。
・島国であること、地震、台風、火山など自然災害が多いことなど、日本との共通点が多い。
・人口の広がりは列島全体で均一ではなく、人口の58%はジャワ島に集中されている。
・民族は大半がマレー系であるが、約300の民族があると言われている。
・イスラム教徒が9割近くを占め、世界最大のイスラム教国でもある。

2. 建設情報

2.1. 工業生産額(建設投資含む)(world bank data base NV.IND.TOTL.CD)

US$404,965 million (2020 日本の27.36%)
年成長率:  -7.1%(2020)

2.2. 建設単価 (ジャカルタ)
2022年第1四半期 ARCADIS及び現地事務所情報より

2.3. 建設関連市況

建設投資の全てのセクターは、年間約5%と着実に増加している。 建設業界は、今後の数年間(2020-2024)にわたって速いペースで成長し続けると予想される。過去5年間、政府は空港、海港、ダム、高速道路、橋と有料道路、鉄道など、さまざまなインフラプロジェクトに広範囲に投資してきた。それらの大規模な開発を推進し続けると期待されている。

また政府は民間企業に対して官民パートナーシップ(PPP)への参加を奨励し、外国企業とインドネシアの一部の国有企業との間のB-to-Bの形態も含まれている。

他の国と比べて、インドネシアの建設会社の数は異常に多い。 2016年に登録された建設会社の合計は14万を超えたが、その中わずか3%が大規模と8%が中規模建設会社に分類された。

小規模の建設会社は建設市場の10%未満しか占めれず、ほとんどは競争が非常に激しいビジネスで維持することができない。理由の1つはインフラストラクチャプロジェクトは高い資本や技術を必要があり、小規模な建設会社に不向きなためである。

外国建設会社の中、中国系の建設会社は一番多く、韓国と日本がそれぞれ2位と3位である。2017年には、全国建設サービス開発委員会に登録された約500の外国建設会社が存在していたが、約30%のみが積極的に営業活動している。

2.4. 主な工業団地

インドネシアには約225の工業団地があり、全国に広がっている。多くの工業団地は大都市の周辺にあるか、港へのアクセスが可能な場所にある。約70%はジャワ島に存在する。

主な工業団地エリアは、ジャワ島の西部にあり、東と西からジャカルタに結ぶ幹線道路沿いにある。日本企業が所有する工場の約9割がこれらの地域に位置する。その地域には、ソジッツ、丸紅、住友商事など、日系開発会社が開発した工業都市がある。

工業団地外にも工場や倉庫も法的には建てられるが、工業団地には必要とされているインフラ設備が充実していることや地理的に利便性があるので、投資家の多くは工業団地を選択している。政府が高く評価した工業団地では、KLIKと呼ばれる制度もある。

KLIKは直接建設投資を意味し、原則許可(会社の登録、納税者番号など)を取得した投資家は、該当する工業団地の土地購入後すぐに建設を開始できる制度である。必要な許可申請(環境許可、建設許可など)は、建設と並行して処理することができる。日系開発会社が開発した工業都市のほとんどはこのプログラムに含まれている。

また、政府も特別経済区(SEZ)と呼ばれるいくつかの領域を開発した。この領域では、税金と必要な管理に関する特別な扱いを提供することによって、政府は投資家に産業だけでなく、リゾートや観光にも事業を構築するよう奨励している。 2018年の終わりには、すでに全国に12のSEZがある。

2.5. 設計及び建設品質

インドネシアでは、設計と施工は別の会社となるのが通常である。設計会社、又はコンサル会社が設計を行う。施工に必要な図面が完了した状態で建設会社は工事を行う。そのため、設計と施工を1社内のリソースで遂行できる現地の建設会社はあまりないが、大規模な建設会社、又は外国の建設会社は設計も自分で行える。しかし、大規模案件では外国の建設会社は設計を行う際に、その会社の本社の支援を受けることも少なくない。

施工を行うのは殆ど現地の職人たちである。日系建設会社の場合は、施工品質、納期を確保するために日本人責任者を現場にアサインすることが多い。他の外国の建設会社もそうである。ただし、インドネシア国内での多くの工事経験を経て現地の担当者能力も近年はレベルアップしてきており、少しずつ重要ポストを現地化する外国建設会社も出てきている。

3. インドネシアの魅力

インドネシアは外資がビジネスを行うためにより良い環境づくりに努力をしてる。世界銀行の「Doing Business」のランキングでは、インドネシアは2013年に128位で、2017年に91位になり、2020年にさらに高く、73位になった。世界銀行による「Doing Business」のランキングは、建設許可の扱い、電気の入手、財産の登録、税金の支払い、クレジットの取得など、のトピックに基づく評価結果である。

また、より多くの事業分類が外国投資に開放されている。一部の事業分野における外国投資家の所有制限を述べた「ネガティブ投資リスト」は過去5年間に何度か改訂され、外国人投資家のインドネシア事業所有者割合は増加してきている。

インドネシアには豊富な天然資源があり、ビジネスを創出するための優れた根拠になる。また、上述のグラフに示したように、GDPの継続的な成長と人口の着実な増加は、特に生産年齢において、人的資源と市場の両方として大きなポテンシャルとなる。

4. 海外投資を支援する政府機関

インドネシア 投資調整庁(BKPM):https://www.bkpm.go.id/