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ミャンマーの新商標法に関するアップデート

ミャンマーの新商標法に関するアップデート

ミャンマーの新商標法に関するアップデート

ミャンマー新商標法(Pyidaungsu Hluttaw法/2019年第3号)が2019年1月30日に成立しました。

同法の概要は、以下の通りです。

新商標法では、従来のコモンローによる「先使用(first-to-use)」 制度に代わって、 「先願(first-to-file)」 制度が採用されています。 先使用制度に基づいて商標登録した従来の商標権者は、新法下で保護を受けるために、先願制度に基づいて商標登録をする必要があります。

同法第1条 b 項には、「この法律は、ミャンマーの大統領が通知を行った場合にのみ効力を生じる」と明記されています。現在、商標法は法律としてすでに制定されていますが、その効力および施行は、延期されています。

新商標法の発効日についての大統領通知は、商標登録簿等の実施体制が確立された後になされる可能性が高いですが、具体的な時期については明らかにされていません。

また、新商標法の内容及び施行に関しては、今後、具体的な規則が制定されることが予測されます。

ソフト・オープン期間

ミャンマー知的財産庁は、新商標法に基づく出願に備え、オンライン登録システム(IPASシステム)を導入すると発表しました。

ミャンマー知的財産庁は、出願のためのソフト・オープン期間を2020年10月1日から開始するとしていますが、ソフト・オープン期間がいつまでかについては、まだ公表していません。

ソフト・オープン期間中、ミャンマー知的財産庁は、以下の商標権者等の出願のみを受理することにしています。

タイプ1:従前、証書登記事務所に登録された商標権者又は後述の現行実務に基づく出願をした出願人

タイプ2:ミャンマー市場において実際に使用されている商標の使用者(証書登記事務所への登録の有無を問いません)

法律事務所及び登録商標に関する代理人のみが、このソフト・オープン期間中にIPASシステムへアクセスすることができることになっています。

現行実務に基づく出願

商標の所有権宣言書(Declaration of Ownership of Trade Mark)を提出していない場合は、ソフト・オープン期間に出願するために現行実務に従い、当該宣言書を提出することをお勧めします。

現在、商標は、商標の所有権宣言書を証書登記事務所に提出することによって登録されます。ミャンマーにおける商標の出願については実体審査が行われないため、ほとんどの出願は登録手続に進むことになります。

商標が登録された後、地元の英字新聞に警告通知(cautionary notice)が掲載されます。警告通知を公告することは法律上の要件ではありませんが、公告は、登録の公告及び商標異議申立の機会を確保するために実務上行われています。

コロナ禍での安全対策の導入

所有権宣言書の提出に関して、証書登記事務所は、保健スポーツ省 による自宅待機命令により、商標及びその他の書類に関する措置を一時的に停止しています。

ミャンマーでは、ここ数週間、コロナの感染者が急増しているため、保健省はヤンゴンの合計28の郡区(ヤンキン郡区を含む)でウイルスの拡散を抑制するために自宅待機命令を出しています。証書登記事務所は、ヤンキン郡区にありますのでご注意ください。

自宅待機命令下では、これらの特定の地域に滞在する住民は、自宅に留まる必要があります。したがって、現時点では、証書登記事務所は、所有権宣言書による出願を受理することはできず、保健スポーツ省が、自宅待機命令を解除した後に、登録出願の受理を開始することになります。

ミャンマーの新商標法に基づく出願

商標の所有権宣言書を提出した場合、弊所(ケルビンチアパートナーシップ法律事務所)では、ソフト・オープン期間を活用し、新商標法に基づく商標登録出願、再出願に関するサポートをいたします。以下の必要事項を受領後、弊所は申請書を準備し、ソフト・オープン期間開始後すぐに出願の手続きをいたします。

出願の要件

現在、新商標法に基づく出願様式の公開を待っている段階です。正式な申請書を入手し次第、事前にご提供いただいた情報に従い、弊所がすべての必要書類の作成を行います。また、ソフト・オープン期間中の申請に関しても、追加の要件が発表されない限り、さらなるお手続きは必要ありません。

新商標法に基づいて商標出願を検討される場合、出願の要件は以下のとおりです。

(a) 出願人は、出願において以下の開示が必要です。

(1) 願書
(2) 出願人の氏名又は名称、住所又は居所
(3) 出願に際して代理人により提出される場合は、代理人の名称及び居所
(4) 商標
(5) 指定商品及び指定役務の名称、又は国際分類に従った指定商品若しくは指定役務

(b) (a)に加え、必要に応じて以下を添付する必要があります。

(1) 出願人が法人の場合は、法人の登録番号、業種及び登録国
(2) 出願人が優先権を主張する場合は、裏付書類、説明書類及び優先権を求める旨の書類
(3) 出願人が取引公正優先権を主張する場合は、裏付文書、説明書類及び当該権利を求める旨の書類
(4) 出願における商標が証書登記事務所に登録されている場合は、登録証

ミャンマー知的財産庁は、商標の出願代理人が当該知的財産庁に対して、商標出願の権限を証明するための権限付与書面の要件に関する通知を発行すると発表しました。ミャンマー知的財産庁は、当該権限付与書面の様式は、ミャンマー知的財産庁が起草し、公表するとしています。この権限付与書面は、委任状の代わりに要求されることとなります。

この通知と正式な権限付与書面の書式は、現時点では公表されていません。また、2020年10月1日からのソフト・オープン期間については、権限付与書面の提出はまだ必要とされていません。ソフト・オープン期間中は、商標の代理人は、商標権者から正当に委任された代理人である旨を適切な様式で提出することとなっています。

なお、ソフト・オープン期間中に出願をしても、ミャンマー知的財産庁は出願日を付与しません。新商標法の全面的な施行が発表された後に、出願日が付与されることになります。

【問い合わせ先】
   ケルビン・チア・パートナーシップ法律事務所

丸茂 修 (コーポレートアフェアーズ)
marumo.osamu@kcpartnership.com

菅谷 伸夫(日本国弁護士、シンガポール外国法弁護士)
sugaya.nobuo@kcpartnership.com

山本 裕子(日本国弁護士、シンガポール外国法弁護士)
yamamoto.hiroko@kcpartnership.com