マレーシアの建設基本情報
更新:2025年3月
マレーシアの人口、経済規模などの基礎情報、建設単価や建設市況などの建設情報をまとめました。
1. 基礎データ (世銀データベース)
1.1. 国土: 328,550 sq km (日本の87%)
1.2. 人口: 35,126,298 (2023年 日本の28%)
1.3. 経済規模 GDP: 399 Billi $ (2023年 日本の9.5%)
1.4. 経済規模 GDP一人当り: 11,379$ (2023年 日本の33.7%)
1.5. 気候風土:
熱帯雨林地方・自然災害小(地震や台風は少ない)
マレーシアは1824年から英国植民地だったこともあり、都市は道路や公園が整備されている。イスラム教が6割以上であるが、仏教徒も2割いる。人々はマレー系、中華系、インド系が多い多民族国家である。熱帯雨林地方であるため、降水量は多いが、地震や台風が殆どなく、自然災害が少ない穏やかな気候である。
戦後は東方政策により経済発展をしており、新日国家である。言葉は、インドネシア語とほぼ同じマレー語であり、アルファベットを使用しているので地名などは読みやすい。都心やビジネスでは英語がほぼ問題なく使える。経済は安定しており、治安は良い。食事は中華系、インド系など多彩であるが、一般的には辛くもなく、香草の使用も多くはないので、日本人には食べやすい。
2. 建設情報(現地提携コンサルからの聞き取り情報)
2.1. 工業生産額(建設投資含む)(world bank data base NV.IND.TOTL.CD)
US$150,567 million (2023年 日本の13%)
2.2. 建設単価
2024年第2四半期 ARCADIS及び弊社提携事務所データより
2.3. 建設関連市況
交通インフラや再生可能エネルギープロジェクトへの投資により、近年建設分野への投資が増加している。NETR(国家エネルギー転換ロードマップ)の目標やNIMP 2030(新産業マスタープラン2030)の導入に基づき、この傾向は今後も続くと予想されている。
2.4. 主な工業団地動向
NIMP 2030の導入により、多くの工業団地がエコ・インダストリアルモデルを取り入れ、スマート技術の活用を進めている。さらに、新たな工業団地は、輸出能力向上を目指して、港や物流ハブ近くに自由貿易ゾーン機能を備えて設計されている。
マレーシア政府は再び製造業の強化を進めており、日本からの投資を期待している。特に、「高付加価値経済推進プログラム(国別開発協力方針の事業展開計画、重点分野1)」の下で、マレーシアは経済成長の促進に貢献する分野で日本の支援を歓迎している。最近、日本デザイナー学院と筑波大学がマレーシアにキャンパスを開設した。
2.5. 設計及び建設品質
首都クアラルンプールの空港は、日本の黒川紀章が基本構想を担当した。黒川紀章事務所から現地設計事務所に日本の設計技術移転が当時行われ、黒川と提携した現地設計事務所は同国を代表する最大手設計事務所に発展している。マレーシアでは、意匠系とエンジニア系の設計事務所が分かれており、積算事務所も別途とするのが一般的である。
現地設計事務所大手はISO9000等、国際的な品質基準を取得している。
マレーシア建設業委員会(Malaysian Construction industry Development Board CIDB)が現地建設会社の認証機関となっている。大手建設会社は Qlassic(マレーシア)又は Conquas(シンガポール)の品質認証を受けている。熟練した職人の数が少ないため、適切な職人を確保できないで工期が遅れる事例が多いと言われている。
近年は、現地省エネ基準 GBI (Green Building Index)の認証を最低限受ける傾向となっており、国際的な評価LEEDやGreenREを取得する事例も増えている。
3. マレーシアの魅力
マレーシアの工業は活況を呈している。米国・中国の貿易摩擦も一因であるが、それよりも、東南アジアでは比較的人件費が安い事と、教育水準が高いことが影響している。政府は常に貿易指向であり、現政権は新日派と言われている。ボルネオを含めたマレーシアの国土は広く、日本とほぼ同じ規模であるが、人口は1/4しかいない。人口やGDPの伸びよりも、一人当たりの所得の伸びが大きいことからも、国としての潜在力が高い。
4. 海外投資を支援する政府機関
The Government of Malaysia’s Official Gateway
Malaysian Investment Development Authority MIDA
https://www.mida.gov.my/home/starting-up-business/posts/
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