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【第2回】ポストコロナのベトナム工業団地を見る

【第2回】ポストコロナのベトナム工業団地を見る

南部ロンアン省 フータン工業団地 / Huu Thanh Industrial Park

 

ベトナムの今を扱う「コラム 現地最新情報」では、2020年以来コロナ禍を経た現地の最新の工業団地情報をお届けしています。
今回は、「南部ロンアン省 フータン工業団地」をご紹介します。南部での工業用地不足が指摘される中、ホーチミン市に隣接するロンアン省に位置し、コロナ禍後、加速的に開発・外資誘致の進む工業団地のひとつです。

ホーチミン市とメコンデルタを繋ぐロンアン省
ロンアン省は、ホーチミン市の西に隣接、メコンデルタ地域の玄関口に立地します。
ベトナム計画投資省の2023年海外直接投資認可件数をみると、ロンアン省は、ビンズン省、ドンナイ省を抜いて第4位に浮上しました(第1位ホーチミン市、第2位ハノイ市、第3位バクニン省)。また、2011年から2016年までの人口増加率はわずか2.8%でしたが、2016年から2021年には、16.3%と大幅に伸びています(全国平均7.3%)。


Huu Thanh 工業団地プレゼン資料より抜粋
SKER: Southern Key Economic Region

ロンアン省は、全国で最も承認済みの工業団地の多い省です。弊社調べでは、63もの工業団地があり、ジェトロ資料によると2021年12月時点で143社の日系企業が既出しています(ご参考に、ビンズン省339社、ドンナイ省263社)。ただし、日本語対応している工業団地は、非常に限られ、数多ある工業団地の最新の開発状況や入居条件を入手し、日本語で理解することは容易ではない状況です。

そこで今回は、2069年8月までの土地使用権を有し、約395ヘクタールの工業用地を開発、32社がすでに覚書締結しています「フータン/Huu Thanh工業団地」について、ご紹介します。

フータン / Huu Thanh 工業団地
フータン工業団地の開発・運営会社IDICOは、主に不動産事業投資、教育開発投資を手掛けるSSGグループの傘下法人として、2018年に株式化され、北部はヴィンフック省、バクニン省、南部はドンナイ省、バリア-ブンタウ省、ロンアン省等に、10の工業団地とレンタル工場・倉庫を開発・運営しています。全開発面積は、約3,500ヘクタール、300社を超える企業を誘致してきました。

今回ご紹介のフータン工業団地は、IDICO社の最も新しい工業団地で、ホーチミン市街地から約35 kmと、通勤圏内にあります。

主要な拠点までの距離 (当社調べ)

近くには、タンドック (Tan Duc)工業団地、ハイソン (Hai Son)工業団地などが立地する工業エリアにあり、全開発面積524.14ヘクタール、内工業用地が約395ヘクタールで、2期に分けて開発され、現在は第1期のインフラが完了し、土地の引渡しが進んでいます。

土地区画の最小サイズは10,000m2から用意があり、工業団地全体がフラットな土地で、設計しやすい区画割りといえますが、杭打ちは必要です(団地からの説明によると、25から30m)。

空き区画一例

インフラ費用は、平米160ドルで(記事取材時)、政府への土地使用料金は団地にて一括支払い済みです。

また、フータン工業団地は、「社会経済的に困難な地域」に該当しますので、法人税の優遇が受けられます。具体的には、優遇税率と適用期間が、17%10年。免税期間・減免期間は、それぞれ2年と50%減税4年間です。優遇税率と適用期間は、売上げが発生した初年度から、免税期間・減免期間は、課税所得を得た最初の年から起算され、3年間課税所得がない場合は4年目からカウントされます。このように、起算の仕方が異なりますので、ご留意ください。

南部で土地区画を探していらっしゃる企業様には、現地視察の候補となる団地かと思います。
ご興味がございましたら、IDICOの営業Ngaさんまで、まずはご連絡ください。コミュニケーションは、英語または越語になります。日本語でのコミュニケーション・交渉サポートが必要でしたら、お気軽にCM Plusまでご相談ください。

ユーティリティ

フータン工業団地詳細情報はこちらから

記事取材:2024年2月20日
シーエムプラス海外情報発信HP事務局


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