マレーシアで事業を拡大するための紹介製薬および医療機器産業（7回シリーズ）第3回：マレーシアのヘルスケア状況：医療機器

マレーシアで事業を拡大するための紹介
製薬および医療機器産業（7回シリーズ）
第3回：マレーシアのヘルスケア状況：医療機器

第3回：マレーシアのヘルスケア状況：医療機器

第11回マレーシア計画（RMK-11）の下で、政府は医療機器をマレーシア経済にプラスの影響を与えると予想したため、潜在成長率の高いセクターの1つとして特定しました。投資家は、アジアにおける医療機器製造ハブとしてのマレーシアを検討してはいかがでしょうか。

医療機器に関するポリシー
2012年医療機器法（Medical Device Act 2012 (Act 737)）に基づき、マレーシアで製造、輸入、または販売されるすべての医療機器は、MDAに登録する必要があります。

この法律に基づく医療機器規制（Medical Device Regulation 2012）は、リスクレベルと使用目的に基づいて医療機器を4つのクラスに分類しています。これらのカテゴリは、標準以下及び未登録の医療機器から患者やその他の顧客を保護することを目的としています。これらのクラスは以下のようです。

ソース：MDA発行の「GUIDANCE ON THE RULES OF CLASSIFICATION FOR GENERAL MEDICAL DEVICES」、初版の翻訳版
クラス	リスクレベル	機器の例
A	低	簡単な手術器具、舌圧迫器、液体封入ガラス温度計、検査用ライト、簡単な創傷被覆材、酸素マスク、聴診器、歩行補助具
B	低～中	皮下注射針、吸引装置、麻酔呼吸回路、アスピレーター、概要骨成長シミュレータ、補聴器、ハイドロゲルドレッシング、患者管理型疼痛緩和装置、光線治療装置、レントゲンフィルム
C	中～高	肺人工呼吸器、整形外科用インプラント、ベビーインキュベーター、血液酸素吸入器、血液バッグ、コンタクトレンズ消毒・洗浄製品、深部創傷包帯、除細動器、放射線治療機器、人工呼吸器
D	高	ペースメーカーとそのリード、植込み型除細動器、植込み輸液ポンプ、心臓弁、子宮避開妊具、神経カテーテル、血管プロテーゼ、ステント

各リスククラスの決定規則は、MDAの「一般医療機器の分類規則に関するガイダンス（GUIDANCE ON THE RULES OF CLASSIFICATION FOR GENERAL MEDICAL DEVICES）」に掲載されています。参考までに、ガイダンスには以下のような決定フローの形で確立されたルールを示しています。

ソース：MDA発行の「GUIDANCE ON THE RULES OF CLASSIFICATION FOR GENERAL MEDICAL DEVICES」、初版の翻訳版

2020年には、4852の医療機器が登録され、その半分はクラスAであり、次にクラスB（26％）、クラスC（19％）及びクラスD（5％）が続きます。上記のクラスの製品の他に、4つの組み合わせ製品及び29の補助製品も登録されました。医薬品と医療機器の組み合わせ製品の承認書も2020年から発行され、当年だけでも51件の申請が承認されました。

医療機器技術とキープレーヤー
医療機器業界は、多国籍企業や世界クラスの支援企業を含む200以上のメーカーと、すでに存在するグローバルな適合性評価機関で構成される強固なエコシステムを誇っています。下の図のとおり、本業界には、検査用手袋からイメージング機器、および医療、外科歯科、光学、および一般的な健康目的に使用できるその他のデバイスまで、幅広い製品と機器が含まれます。

ソース: PMDAに掲載された「Medical Device Regulatory Framework in Malaysia: Internal and International Activities and Strategies」

マレーシアは、国内で高複雑性、高技術、高付加価値の製品を製造することで、主要な多国籍企業から引き続き関心を集めています。 2020年に、DexCom Inc.（米国を拠点とする企業）は、糖尿病関連製品であるContinuous Glucose Monitoring（CGM）の開発、製造、流通にRM 1.8billion（JPY 500億）を投資しました。同じ年の注目すべきマレーシア企業の投資は、K One Resources Sdn. Bhd. による人工呼吸器、医療用消耗品、ピルプランナー/ピルスプリッター、ヘルスケアウェアラブル、および酸素濃度計を製造するための拡張プロジェクトです (RM24million（JPY 6.6億）の投資) 。同社は、緊急使用許可（EUA）の下で米国FDAによって承認されたNASAJPLからVITAL（ローカルでアクセス可能な人工呼吸器介入技術）人工呼吸器の非独占的ライセンスを取得したマレーシアの唯一の企業です。

マレーシアには優秀な医療機器製造の産業基盤として、滅菌サービス、滅菌医療パッケージ、精密工学、工具と金型の製造、契約成形と組み立て、機械製造、電子機器製造サービスとなります。大学、研究および訓練機関、ならびに試験および認定機関での専門的な訓練も利用できます。

上記のおかげで、マレーシアはASEAN地域最大の医療機器市場となりました。マレーシアは、外科用および検査用手袋とカテーテルの世界有数の生産国および輸出国であり、世界の需要のそれぞれ60％と80％を供給しています。また、心臓ペースメーカー、ステント、電気医療、治療、監視装置を含む埋め込み型整形外科装置などの高付加価値で技術的に高度な製品を含む、国内で製造された医療装置の90％以上を輸出しています。

調査によると、医療機器のサポート業界はマレーシアを医療部品およびコンポーネントのグローバルサプライヤーとしています。いくつかの医療機器会社は、マレーシアをアジア地域の流通ハブとして注目し始めています。

投資機会
MIDA（マレーシア投資開発庁）によると、以下が医療機器業界で投資が見込める主要分野です。