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マレーシアで事業を拡大するための紹介製薬および医療機器産業(7回シリーズ)第6回:マレーシアへの投資:政府のインセンティブ

マレーシアで事業を拡大するための紹介
製薬および医療機器産業(7回シリーズ)
第6回:マレーシアへの投資:政府のインセンティブ

第6回:マレーシアへの投資:政府のインセンティブ

本記事では、マレーシアへの投資を希望する製薬および医療機器関連企業に提供されるインセンティブについて簡単に説明します。

第4回:マレーシアへの投資:費用で述べたように、国外源泉所得 (FSI) に対する免除は 2027年から提供されなくなります。但し、外国投資家を引き付け、高品質の製品の現地製造を促進するための取り組みとして、政府からのその他のいくつかの直接的および間接的な税制優遇インセンティブは引き続き提供されています。これらのインセンティブは、2022 年のミルケン・インスティテュート・グローバル・オポチュニティ・インデックス (GIO) によると、マレーシアが世界の国際投資家にとって最も魅力的な目的地のトップ 30 に入っている理由の1つとなります。

一般に、奨励される活動に参加し、または奨励される製品を生産する製造業またはその他の産業、商業部門の企業は、パイオニア・ステータス (PS) および投資税額控除 (ITA) のいずれかの対象となります。これには、5 年間の所得税の半分以上の免除が含まれます。

上記のインセンティブに加え、特定事業と地域または企業の機能を対象とするインセンティブも提供されています。以下は製薬及び医療機器企業に関連する一部のインセンティブのまとめとなります。尚、政府の政策は常に変化しているため、記事を書いている時点で提供されているインセンティブの概要だけを説明します。最新の情報と詳細については、マレーシア投資開発庁 (MIDA) などの公式リソースを参照するか、地元の税務専門家に相談してください。

1. 特定事業を対象とするインセンティブ

マレーシア政府が以下の事業に携わる企業にインセンティブを提供しています。すべてのインセンティブ対象事業は、各省庁の条件を満足する必要があります。

a) バイオテクノロジー企業
本インセンティブは農業食品産業省 (MAFI)が提供し、マレーシアン・バイオテクノロジー・コーポレーションから承認されたバイオネクサス・ステータス(BioNexus Status)を持つバイオテクノロジー活動を行う企業を対象となります。

b) 製薬企業
本インセンティブは国際貿易産業省(MITI)が提供し、ワクチンを含む医薬品を製造する既存企業及び新規企業が対象となります。与えられた企業には10年間、所得税が軽減税率となり、さらに10年間の延長申請は可能とされています。但し、本インセンティブが承認された企業は財務省(MoF)が指定する条件を遵守する必要があります。

c) 知的財産 (IP) の開発
本インセンティブによりマレーシアで開発された適格な知的財産 (IP) の権利を所有する企業は、最大10年間、適格な知的財産所得に対して完全な所得税の免除を受けることができます。

d) 研究開発 (R&D)
本インセンティブにより研究開発会社、契約研究開発会社、社内研究開発会社、リソースベースの研究開発成果の商業化に投資する会社など、研究開発に関与する会社はすべて、最大10年間、半分以上または全額の税収を免除されることができます。

e) スタートアップ
民間部門による初期段階の投資を奨励することを目的とし、マレーシアのスタートアップに投資する企業は、財務省(MoF)が提供し、Cradle Fund Sdn. Bhd.が管理するAngel Tax Incentiveの対象となります。本インセンティブの重点分野にはヘルスケア、先端材料および付加価値サービスが含まれています。

f) マレーシアの資源開発(パーム油、ゴム、木材)
生産ラインでパーム油やゴムなどのマレーシアの天然資源を利用する企業を対象とするインセンティブとなります。但し、申請企業は最小51%マレーシア所有となる必要があります。本インセンティブは通商産業省 (MITI) が提供します。

2. 特定地域を対象とするインセンティブ

地域の成長と発展のための取り組みとして、マレーシア政府によるインセンティブに加え、会社所在地の各地方政府から特別なインセンティブが与えられています。現在、特定地域は5つあり、提供されるインセンティブは地域によって異なります。詳細については、各地域の公式ウェブサイトを参照してください。

a) イスカンダル・マレーシア(Iskandar Malaysia)
対象エリア:ジョホール州の南部

b) マレーシア北部回廊経済地域(Northern Corridor Economic Region、NCER)
対象エリア:ペルリス州、ケダ州、ペナン州とペラ集の北部

c) 東海岸経済地域 (East Coast Economic Region、ECER)
対象エリア:クランタン州、トレンガヌ州、パハン州とジョホール州のムルシン郡

d) サバ開発回廊(Sabah Development Corridor、SDC)
対象エリア:サバ州の西部、中部と東部

e) サラワク再生可能エネルギー回廊(Sarawak Corridor of Renewable Energy、SCORE)
対象エリア:サラワク州の中部

3. その他インセンティブ

特定事業と地域を対象るインセンティブの他、企業の機能などによるインセンティブもあります。以下はその一部のまとめとなります。

a) プリンシパル・ハブ・インセンティブ(Principal Hub Incentive、PH)
本インセンティブはプリンシパル・ハブ・インセンティブ (PH)として承認された企業に提供されます。プリンシパル・ハブとは、マレーシアを拠点として、地域またはグローバルなビジネスおよびオペレーションを実施し、リスクの管理、意思決定、戦略的なビジネス活動、トレード、財務、マネジメントおよび人材等に関する運営やサポートを行う法人と定義されています。これは、R&Dやハイエンドの技術サポートを含む、価値の高い技術の国への移転を促進する取り組みとして導入され、知識が豊富な環境でマレーシア人に雇用機会を与えます。

本インセンティブは MITIにより提供され、高価値の仕事を増やすための要件など、応募企業の性質に応じたコミットメントが伴います。承認されたプリンシパル・ハブ会社の特典は、5年間の軽減税率となりますが、申請会社が新規か既存製造・サービス会社かにより軽減税率が異なります。また、新規会社は、インセンティブの期間をさらに5年間の延長申請は可能とされています。

現在までに、本インセンティブは、プリンシパル・ハブ・インセンティブ (2015 ~ 2019)、プリンシパル・ハブ2.0(PH2.0)(2019 ~ 2021)、およびプリンシパル・ハブ3.0(PH3.0)(2021 ~ 2022)として3回改訂されています。その結果、35件以上のPHプロジェクトが承認されています。多くの多国籍企業がマレーシアを地域的およびグローバルなオペレーション・ハブとして位置付けることの成功により、今後数年間、改訂版が引き続き提供されると想定できるでしょう。

b) グローバル・トレーディング・センターのインセンティブ(Global Trading Center、GTC)
本インセンティブは、グローバル・トレーディング・センター (GTC)として承認された企業に提供されます。GTCとは、マレーシアを国際貿易拠点として使用する現地法人であり、戦略的な調達、調達、原材料、部品、完成品のマレーシア国内外の関連企業および非関連企業への配布を行っています。本トレードベースのインセンティブは、以前はPHの一部として提供されていましたが、PH3.0から切り離され、より具体的で的を絞った条件も導入されています。

c) 自動化に関するインセンティブ(Automation Capital Allowance Expenditure)
労働集約型の製造業の自動化を求めるマレーシア在住の製造業者対象となります。但し、導入する機械および機器 (組み込みソフトウェアを含む) がサービス提供を改善するためのより高度な技術を採用し、生産性および安全性の向上などに貢献する要件が伴います。承認された企業には、2015年から2023年までの評価の 8 年間に発生した最初のRM200万(約JPY60億)の支出に対して200%の自動化資本控除が与えられます。本インセンティブ2023年末まで申請可能となりますが、2024以降に関して、MIDAに問い合わせください。

 

シーエムプラス海外情報発信HP事務局

 

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