予算を超過しないリスク費用(AllowanceとContingency)の考え方 (2/2)
Contingencyは、工事請負会社契約金額とは別に発注者側社内予算に組み込んで管理します。Contingencyの集計には、個々のリスク発生確率(初期値としてはエイヤッと直感で決めることがほとんでしょう。)を設定し、それぞれのリスクが顕在化した場合の予測金額にその確率%を掛けて求めます。予測金額が1000万円で発生確率が10%なら100万円と計上します。そうやって、Contingency項目の合計を求めます。モンテカルロ法(詳細説明はここでは省きます。ご興味ある方はググってみてください。)を使って定量的根拠づけをすることもあります。ただ、それらリスク個別の想定費用を合計しても総額に対して大きな比率にならないこともあります。少なすぎるContingencyは、プロジェクト運営のリスクそのものになり得ますから、予算策定時、そして見直し時の設計進捗度に合わせて3%~15%のレンジを確保することが必要でしょう。プロジェクト進捗が進むにつれてリスクは減少するのでContingencyも予算管理の中で減額させてゆくのが通常です。不確定要素はプロジェクトによって異なるので一概に言えませんが、例えば、FS段階で15%, 基本設計段階で10%, 詳細設計段階で5%等々です。

AllowanceにしてもContingencyにしても、Cost Controller一人で見積もることはできません。社内予算設定前には複数の部門代表者によるリスク予算会議を開催して、項目、発生確度、想定費用などのレビュー会議は必須です。リスク管理表に想定しうるあらゆるリスク項目を挙げ、関係者でブレーンストーミングしながら、個々のリスクを検証し、項目の発生確度が100%ならAllowanceへ、発生確度が100%未満ならContingencyへ振り分けます。
表:リスク費用の見積もりフロー

以上、AllowanceとContingencyについて説明しましたが、結果的には前者は後者に比べて少額であることも多いので、巨大プロジェクトでなければContingencyという予算枠一つで管理しても問題ないとは思います。 また、Contingencyを使わないで取っておくことが正しいわけではありません。プロジェクト責任者は、プロジェクトを計画通りに進めるために、使うべきタイミングで行使すべきと考えます。
このように、AllowanceとContingencyを明確に区別しコントロールすることで、プロジェクト費用が予算を超過するリスクを低減することとなります。ご自身が関与される予算管理表で、どのような項目がどの程度のリスクとして設定されているか、具体的に注目してみるのも面白いかもしれませんね。
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