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ドンナイ市から始まる、ベトナム製造業の新時代

ドンナイ市から始まる、ベトナム製造業の新時代

ロンタイン新国際空港を核とする産業集積エリアが発展

ベトナム南部では、行政再編により誕生した新・ドンナイ市が、ホーチミン市に次ぐ新たな産業・物流拠点として注目を集めています。 2026年12月の開港を目指す新ロンタイン国際空港* (Long Thành International Airport/IATA: LTH)、Sân bay Quốc tế Long Thành」)を核に、ドンナイ市と南部最大級の深海港であるカイメップ港を結ぶビエンホア-ブンタウ高速道路や、ホーチミン市西部のタイニン省とドンナイ市を結ぶベンルック-ロンタイン高速道路など、広域交通インフラの整備も着実に進められています。 2026年4月には国会決議によりドンナイ省がホーチミン市に次ぐ国内7番目の中央政府直轄市「ドンナイ市」へと移行し、2025年のGRDP(地域総生産)成長率は前年比9.63%と政府目標(8.5%)を上回るなど、南部経済のもう一つの中核としての存在感を急速に高めています。

この記事では、ドンナイ市を中核に急速な整備が進む交通インフラの最新動向を紹介します。

 

ベトナム南部注目 – 開発の進む交通インフラプロジェクト

■ ロンタイン新国際空港

ロンタイン国際空港は、ホーチミン市中心部から東へ約40km、ドンナイ市ロンタイン地区に建設が進むベトナム最大規模の国家プロジェクトで、全3期に分けて整備され、第1期では年間2,500万人の旅客処理能力を備える計画です。 開港後はタンソンニャット国際空港の国際線機能を段階的に引き継ぎます。

第1期工事が最終段階に入っており、2025年12月にはベトナム航空による初の試験飛行が実施されました。 2026年3月には首相が建設現場を視察し、2026年中の商業運用開始を改めて指示しています。

現在の計画では、2026年12月から2027年3月にかけて、飛行距離1,000kmを超える長距離国際線を中心に運航を開始する予定で、この段階ではホーチミン市圏の国際旅客の約2割を受け入れる見込みです。 その後、2027年から2030年頃にかけて国際線の移転を段階的に進め、最終的にはホーチミン市地域の国際旅客の9割以上をロンタイン国際空港で処理する体制を目指しています。 全3期の整備が完了する2030年代半ば以降には、滑走路4本・ターミナル4棟を備え、年間旅客処理能力7,000万人、貨物取扱能力500万トンを誇る東南アジア有数のハブ空港となる計画です。

■ ホーチミン環状3号線

ホーチミン環状3号線は、ホーチミン市(旧ビンズン省区域を含む)、ドンナイ市、タイニン省(旧ロンアン省)を結ぶ延長約76kmの都市高速道路です。 ホーチミン市街地を経由することなく、主要高速道路や工業団地、港湾、ロンタイン国際空港を効率的に結ぶ広域交通ネットワークの中核として整備が進められています。

ホーチミン環状3号線は2023年6月に着工し、主要区間では舗装やインターチェンジ整備が最終段階に入っています。 2026年末までに全線開通を目指す計画です。 総事業費は約75兆3,780億ドン(約4,600億円)にのぼり、片側4車線・計8車線の高速道路本線に加え、並行する一般道2〜3車線を整備する大規模プロジェクトです。

ホーチミン環状3号線に接続する主要道路
・ HCMC–ロンタイン–ザウザイ高速道路
・ ベンルック–ロンタイン高速道路
・ 国道1号線
・ ミーフック–タンヴァン道路
・ HCMC–Trung Lương高速道路

 

■ ビエンホア-ブンタウ高速道路

ビエンホア-ブンタウ高速道路は、ドンナイ市ビエンホア地区とホーチミン市ブンタウ地区を結ぶ全長約53.7kmの南北に走る高速道路です。 国道51号線と並行して整備され、ホーチミン-ロンタイン-ザウザイ高速道路とも接続します。 完成後は、ロンタイン国際空港とカイメップ深水港を結ぶ物流回廊として、南部地域の物流効率向上に寄与することが期待されています。

ビエンホア-ブンタウ高速道路は2026年5月、本線全線の供用が開始されました。 現在は側道などの付帯施設の整備が進められており、料金徴収システムは2026年11月までの完成が予定されています。 総事業費は約17兆8,370億ドンで、第1期は4〜6車線として整備され、将来的には6〜8車線への拡張も計画されています。 日系企業の進出が集中するビエンホア地区とカイメップ・チーバイ深水港を最短距離で結ぶ路線として、南部の物流動線を大きく変える存在です。

 

■ ベンルック-ロンタイン高速道路

ベンルック-ロンタイン高速道路は、タイニン省ベンルック地区とドンナイ市ロンタイン地区を結ぶ全長約57.8kmの高速道路です。 ホーチミン市南部を経由して東西を結ぶ物流軸として整備が進められており、国道51号線やホーチミン-ロンタイン-ザウザイ高速道路などの主要幹線道路と接続します。 完成後は、ホーチミン市中心部を経由することなく、メコンデルタ地域とドンナイ市、ロンタイン国際空港方面を結ぶ新たな広域物流ネットワークとして、物流効率の向上が期待されています。

ベンルック-ロンタイン高速道路は、2025年8月から区間ごとに順次供用が開始されており、現在は最後のボトルネックとなるフックカイン橋(Phước Khánh Bridge)の仕上げ工事が進められ、2026年9月までの供用開始が予定されています。 総事業費は約2兆9,586億ドンで、国際協力機構(JICA)やアジア開発銀行(ADB)による融資も活用されており、日本とも縁の深いプロジェクトです。

 

■ ロンタインインターチェンジ

2026年6月6日、ロンタインインターチェンジのすべての接続ランプが供用開始されました。 これにより、ビエンホア-ブンタウ高速道路、ホーチミン-ロンタイン-ザウザイ高速道路、ロンタイン国際空港アクセス道路(T1・T2ルート)、国道51号線が相互に接続され、南部地域の広域道路ネットワークが大きく強化されました。 ビエンホア-ブンタウ高速道路を利用する車両は、ホーチミン-ロンタイン-ザウザイ高速道路を経由してザウザイ方面(ドンナイ市東部)へ向かうほか、国道51号線やホーチミン市方面へも円滑にアクセスできます。

Long Duc 3 工業団地にとっても、国道51号線を経由してロンタインインターチェンジへアクセスすることで、高速道路ネットワークを活用したホーチミン市、カイメップ深水港、ロンタイン国際空港方面への利便性が大きく向上されます。

 

【お知らせ】新規工業団地の土地予約情報(詳細は別記事にて紹介)

このように、交通インフラの開発が進むドンナイ市では、Long Duc 1工業団地で開発・運営の実績を積み重ねてきた双日グループが手掛ける新規工業団地「Long Duc 3 工業団地」が土地予約を開始しています。

Long Duc 3工業団地は、開発面積245ha・分譲面積177haの規模で、双日が現地デベロッパーのGLT(Long Thanh Golf Investment and Trading Joint Stock Company)と共同で開発を進めるプロジェクトです。 双日が2011年から開発・運営し、2019年に完売した隣接のLong Duc工業団地(入居企業70社、うち日系企業59社)で培ったノウハウを活かしつつ、屋根置き太陽光発電の活用などによる「次世代型脱炭素工業団地」をコンセプトに掲げています。 ドンナイ省が注力すべき優先プロジェクトにも指定されており、許認可取得など行政手続きの円滑化が期待できる点も、進出を検討する企業にとって心強い材料です。
→ ロンドゥック3工業団地

* 注記
    *1 ロンタンとも表記

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【執筆者】 田山恵里子(株式会社シーエムプラス 海外戦略室)
田山恵里子(株式会社シーエムプラス 海外戦略室)

シンガポール系デベロッパーでのマーケティング・セールス部門の責任者、日系ゼネコンでの営業職を経て、営業請負いサービスを提供する TaskLighting Co., Ltd. を2019年 ホーチミン市に設立。
2022年、株式会社シーエムプラスに参画。 ベトナム在住20年以上の経験を活かし、工業団地選定から現地での法人立ち上げまで、日本企業のベトナム進出を幅広くサポートする。